デザイン性
Kent Note ~ 住宅デザインの話
Kent Note ~ 住宅デザインの話

いつまでも家族が住み続けられる家。
その為に欠かすこと出来ない
『デザイン』
それはアンティークと同じ。
美しいからこそ価値があり、
手入れしても使いたくなる存在。
誰もが懐かしく、心安らぐデザイン。
世代を超え、理屈なく住みたくなる
デザイン。
イギリスではそんなお家に敬意を込めて
Homely(ホームリィ)と表現します。
子どもたちが大人になり親となり
世代を超えて大切に住み継がれる、魅力的な住まい。
古くなることをデザインされた家はいつまでも新しい。
その答えは30年後あきらかとなることでしょう。
ケントミヤザキのデザインコードです。
●イングリッシュ コロニアル スタイル
アーリーコロニアルリバイバルスタイル 米国北部では英国からの移民が圧倒的に多かった為、コロニアル様式の代名詞される事もある。 基本的に17世紀中期のクリストファー・レンがルネッサンス様式に感銘した奇数柱間のデザインが基本とされ、ジョージ王朝が踏襲した為、ジョージアン様式とも言われる。 ニューイングランドでは木材資源が豊富であった為、木造下見板の外壁が象徴的な印象を与える事となった。

●ダッチ コロニアル スタイル
インテリアデザインを一般化したのはオランダ人画家フェルメールであると言われる。 ニューヨークはかつてニューアムステルダムと呼ばれ、ハーレムという地名は母国オランダの美しい都市ハーレムにちなんで付けられた。 基本的に経済的で合理的、機能的で耐久性の高い材料を好む。 小屋裏を利用しようと急勾配の屋根をマンサードにしたり、採光の為に軒を跳ね上げさせカバードポーチとしたり、機能とデザインが調和する工夫が随所に見られる。

●スパニッシュ コロニアル スタイル
メディタレニアンスタイル
素焼き瓦・スタッコ壁・少々のアイアン装飾が特徴。アンシンメトリーで優しい雰囲気を醸し出す。 地中海の太陽と温かさをイメージさせるデザインはメディタレニアン=地中海様式と総称される。 イタリアルネッサンスに影響を受けたデザインは世界中でみられ、屋根の勾配や軒の出、ドア・窓のトリムや装飾によって、プロバンス・プエブロなど気候風土に合わせたスタイルデザインに変化する。 スパニッシュスタイルは観光宮崎のデザインコードにもなっている。

■コロニアルスタイル
住宅のデザインはアメリカにおいて確立したと言われる。16世紀、アメリカに渡ったヨーロッパの移民は自分達の住まいを本国の建築様式でつくり自分たちの出身や宗教などアイデンティティーを主張しながら植民地=コロニーを開拓した。 そのような背景の中から街並みが形成されイングリッシュ、ダッチ(オランダ)、フレンチ、西部~カリフォルニアのスパニッシュと住宅街ごとに表れるデザインがカテゴライズされ様式として確立したのである。 面白いのは英国から独立した政府関係建造物のほとんどがコラム柱が特徴的なギリシャ建築を楚とするアダムスタイルと言われるデザインで造られ、キリストでもない神に仕える自由な意思を表現した事だ。
●クラフツマン スタイル
w・モリスのアーツ&クラフツ運動から派生しアメリカで確立したデザイン様式。緩勾配の大屋根が家族の平等を表す思想的なデザインはアジア(インドベンガル地方)の軸組建築がデザインベース。 現地の素材を使い構造材を見出しで使うなど日本人にも親しみやすいデザインが多い。 日本の別荘地で使われる『バンガロ―』はインド→イギリス→アメリカ→大正時代の日本と世界一周して入ってきたデザインだったのである(笑)

●インターナショナル・モダンアーキテクチャル スタイル
日本の建築家が最も影響を受けているデザインコード。19 世紀産業革命によって、鉄骨やコンクリートなどの新素材・新工法によって建物は高層化し、急速なグローバル化は有名建築家を産んだ。 F・ライト、コルビジェ、ファンデルローエ。彼らは表現の自由を加速し、機能的である事や帰属意識までも否定するミニマルな装飾美を見出した。 コルビジェが提唱する近代建築の五原則『ピロティ・屋上庭園・自由な平面・水平連続窓・自由な立面』がつくられた。

●北欧系木造建築
北欧系のデザインは日本と同じ『木の文化』を持つ国同士として共通性も多く馴染み易い。 家具に代表される冬、家の中で過ごす時間の長い地方らしく自然素材で飽きのこないシンプルなデザインはいつまでも新鮮。 和洋を問わずシンプルなライフスタイルを表現するには最も適したデザイン。 パッシブソーラーデザインにも対応しやすい。

●トランジッション スタイル
今まで確立されてきたデザイン様式を、設計者が咀嚼し、新たなデザインとして表現する、住宅建築家ヤノとしてのライフワーク的なデザインスタイル。 『僕たちは機能的な西洋式の生活の良さを知った伝統的な日本人である』事を表現したいと常に思う。 先人の知恵を現代の技術で『心地よさを』をデザイン。宮崎の太陽と海と風や緑に溶け込むように意識するのがケントスタイル。

●宮崎の家 再生プロジェクト
伝統的な木造建築に耐震性や省エネルギー性など現代の技術を取り込み、再生させるプロジェクト。命を守る事を優先しつつ、水屋や台所など思い出を大切にしたデザインで仕上げる。設計者の経験や耐震性への思い、大工や職人の技術が最も必要とされる仕事。耐震診断補助金事業対象診断しています。

●パッシブソーラーデザイン
ここまで外観上のデザインをカテゴライズしてきたが、パッシブソーラーデザインは太陽の光や風の動き、隣家や立地環境など、その土地の特性を読みそれぞれのデザインに取り入れようとする設計手法の事である。

デザインについて
デザインの話
●継続されるデザインであること
●構造の安定が目に見えるデザインであること
●歴史的検証がなされたデザインを機能的で現代的にリデザインすること
先ず皆さんに知ってもらいたい事―
【住宅デザインは50年・100年の街並みのデザイン】であるという事
長期優良住宅を実現するためにデザインがいかに重要であるかを忘れがちです。
構造や材料などだけでは、永続的な住宅とはなりません。
アンティーク時計と一緒で、直ぐに飽きられてしまうデザインではメンテナンスして次の世代でも使う気にはなりません。
美しいからこそ「壊すのはもったいない」と、メンテナンスをし住み継ぐことを考えるのです。
家の場合それは取り壊しを意味し、経済的にも環境の上でもマイナスばかりです。
次の世代に継承されるデザインに必要なものとはナンでしょう?
あらゆるデザイン業界で古典を学ぶことは大変重要です。
現在も継承されるデザインを、産み出し続ける北欧モダンデザインの祖であり、デンマーク王立大学の教授であった、コーア・クリントは「デザインソースを過去の名作に求め、現代生活にリデザインすることは有効」と説きました。
その直系の弟子モーエセンは、アメリカのシェーカー家具に触発され「家具(家)は使いやすく美しくあるべき」と機能とデザインの共存を示唆しスパニッシュチェアーを作りました。
また、世界的に有名な直系の弟子ハンス・J・ウェグナーは世界で最も有名な椅子「ザ・チェアー」を【中国民時代の椅子】から産出しました。
建築にも同じことが言えます。 洋の東西にかかわらず、私たちは現存する過去のデザインから、作法(=建築様式)があることを知らなくてはなりません。
その上で「西洋文化を知った日本人の感性が現代的にリデザインされ活かされる」ことが必要なのです。
住宅の外観は個人の資産であると同時に、街並を構成する公共の財産です。
●誰もが、懐かしく、ほっとするデザイン。(色彩を含めて)
●世代を超えて理屈なく住みたくなるデザイン。
イギリスではそのような住宅を「ホームリィな家」と表現されいつまでも大切に住み継がれます。
それが【サスティナブルデザインの住宅】です。
世代を超えて継承される【サスティナブルデザインの住宅】は次の世代に残すことができる住宅なので 将来的に個人の資産を守ることに繋がります。
もし、近隣の住宅も継承される【サスティナブルデザインの住宅】であるなら、街並みの熟成効果が得られ、より確実な個人の資産が守られるのです。
【資産価値を高めることができるデザイン】であることも【サスティナブルデザイン】の条件ともいえます。
縁があって私たちの造った家が、将来も、住む人にとっても地域にとってもかけがえのないふるさとの景観として残っていけばいいなあと思う次第で、その時一線を退いた現在のスタッフも気軽に立ち寄れるような正直な家造りを続けたいなあと思っているのです。 日々研鑽―。